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 花かんざしと富士山 2

数年前に、家内のお母さんを招待して富士吉田へ旅行に出かけたときの話です。家内がお世話になった叔母夫妻も一緒にご招待してののんびり旅行でした。
そこは、私がすでに4度ほど宿泊したことのある「鐘山苑」というホテルを宿泊先に選んで伺ったのです。本当は裏山を借景にした素晴らしい庭園や豪華な部屋を満喫して頂きたくて選んだのに、その日は3月20日で花はなし、緑はなし・・・と今までの良さを知っているだけに残念な時期に当たりました。
それでも姉妹や母娘といったメンバーは心から和気あいあい。館内からお風呂場までに飾ってある廊下の一輪ざしに見とれながら30分もかけて浴場に到着したり、そんなに飲めないメンバーでも笑い声に酔いながら楽しい時間は過ぎて行きました。
嬉しさも手伝ってか、興奮があってだったか、朝風呂が好きだということも手伝って5時頃目が覚め、さっそく大浴場に向かいました。するとなんとなんと、ガラス越しに見える富士山が、今までに見たこともない姿で顔を見せてくれていたのです。
朝陽を浴びての赤富士です。私は生れて初めて見た富士の姿でした。絵にも描けない美しさと言いますが初春のその姿は夢のようだったのです。
そうだ!私は朝風呂も途中でやめて部屋に戻ったのです。お母さんや叔母、家内の寝ている部屋に行きそっと障子戸を開けてみたのです。どうでしょう!風呂場で見た景色とは違って窓枠が丁度額縁のような感じで1枚の大きな写真のように赤富士が姿を見せたのです。
すっかり熟睡している3人を急いでお越しました。「赤富士だよ!ほら赤富士!」今考えるとかなり興奮していたように思います。

        赤富士
     (赤富士に見とれてカメラを持った頃はやや・・・)

3人とも、一瞬で目が覚めたようです。「わー・・・・! きれ~い!」、ただただ感動です。お母さんはそれでなくとも富士山を見るのが前日が初めてで、それだけでも感激していたのに、もうこの部屋は感動の嵐です。
人の心をここまで感動させる富士って何だろう?
「一生忘れられないね」と喜んでくださった家内の母も、それから1年と少しで帰らぬ人となりました。
いくら病気とはいえ残念でなりませんが、喜んでくださった母の気持ちを代弁し、家内が「ありがとう」と今でも言ってくれています。花かんざしを読んでの感動といい、赤富士を見ての感動といい、感性ほど素晴らしいものはないとつくづく思いました。

 人名、会社名等(著名人は除く)は仮名ですが内容は全てノンフィクションです。
 【俊介の部屋】は平成21年6月4日にスタートしました。(毎日掲載しています)
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岡部俊雄

管理人 : 岡部俊雄
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